「名古屋って何県だっけ?」と、ふと手が止まった経験はありませんか。新幹線の停車駅としても、名古屋城や名古屋めしの街としても有名なのに、県名がすぐに出てこない。実はこれ、多くの人が一度はつまずく疑問です。転勤や進学で名古屋に引っ越す予定の人、出張で初めて訪れる人、子どもに聞かれて答えに詰まった人まで、検索している人の立場はさまざまです。
結論からお伝えすると、名古屋は愛知県です。名古屋市は愛知県の県庁所在地で、全国でも数少ない政令指定都市のひとつです。ではなぜ「名古屋県」ではなく「愛知県」なのか。その答えは、明治時代の県の成り立ちと、万葉集に詠まれた古い地名にまでさかのぼります。
この記事では、名古屋市と愛知県の関係を、公式の統計や県・市の資料をもとに整理しました。人口や16区の名前、県庁と市役所の場所、住所を書くときに間違えやすいポイントまで、名古屋暮らしの「最初の基礎知識」としてまとめています。
・名古屋は何県か、県庁所在地・政令指定都市としての位置づけ
・県名が「名古屋県」ではなく「愛知県」になった歴史的な理由
・名古屋市の人口・面積・16区の名前と、間違えやすいポイント
・愛知県庁と名古屋市役所の場所、引っ越し・出張・旅行での使い分け
名古屋は何県?答えは「愛知県」で、しかも県庁所在地

名古屋市は愛知県の県庁所在地であり政令指定都市
名古屋市は愛知県に属する市で、愛知県の県庁所在地です。愛知県庁も名古屋市内に置かれており、県の行政の中心がそのまま名古屋にあります。さらに名古屋市は、地方自治法にもとづく政令指定都市(指定都市)のひとつでもあります。
総務省の指定都市一覧によると、名古屋市が指定都市に移行したのは昭和31年9月1日です。この日には大阪市・京都市・横浜市・神戸市も同時に移行しており、名古屋市は指定都市制度が始まった最初の5市に含まれています。指定都市になると、県が担う事務の一部を市が自ら行えるようになり、市の中に行政区を置くことができます。名古屋市の中に「中区」「千種区」などの区があるのは、このためです。
よくある間違いは、「名古屋は大きいから県と同じ扱い」「名古屋は愛知県から独立している」と思い込むケースです。指定都市は県の一部の権限を持つだけで、愛知県の一部であることに変わりはありません。県知事選挙では名古屋市民も投票しますし、県の施策は名古屋市内にも及びます。
補足として、東京23区の「区」は特別区という独立性の高い自治体ですが、名古屋市の区は市の内部組織である「行政区」です。同じ「区」という言葉でも仕組みが異なる点は、関東から引っ越してくる人がとまどいやすいポイントです。
人口は235万人超、愛知県の約3割が名古屋市に住んでいる
名古屋市は愛知県の中で人口が最も多い市です。名古屋市が公表した令和7年国勢調査の確定値は2,345,186人で、前回調査から13,010人増えました。さらに市の推計人口では、令和8年9月1日現在で2,354,267人となっています。
一方、愛知県の推計人口は2026年8月1日現在で7,445,156人です。単純に比べると、愛知県民のおよそ3人に1人弱が名古屋市に住んでいる計算になります。県の人口の約3割が県庁所在地に集まっているわけで、「愛知県といえば名古屋」というイメージが強いのも自然なことです。
注意したいのは、国勢調査の数字と推計人口の数字は基準日も算出方法も違うという点です。国勢調査は5年に1度の全数調査、推計人口は国勢調査をもとに住民基本台帳の増減を加えて毎月更新される数字です。レポートや資料に人口を書くときは、「いつ時点の、どの統計か」を必ず添えるようにしましょう。
豆知識として、名古屋市の推計人口は女性が1,198,330人、男性が1,155,937人で、女性のほうが多くなっています。世帯数は国勢調査で1,187,231世帯で、1世帯あたりの人数は2人前後という都市型の構成です。
「愛知県名古屋市」と書くのが正式、でも郵便では省略されることも
住所を正式に書くときは「愛知県名古屋市〇〇区」となります。市の後に区名が入るのが指定都市ならではの書き方で、「愛知県」と「名古屋市」の間に何かが入ることはありません。
一方で、郵便物の宛名では「名古屋市〇〇区」から書き始めても届くケースが多く、実際に愛知県の公式サイトでも県庁の所在地を「名古屋市中区」から表記しています。指定都市や県庁所在地は県名を省略しても場所が特定できるため、慣習的に県名が省かれることがあるのです。
ただし、役所への届出書類や契約書、履歴書などの正式な書類では、県名から書くのが基本です。書式に都道府県欄がある場合は必ず「愛知県」と記入しましょう。県名を省略した住所に慣れていると、うっかり都道府県欄を空欄にしてしまうことがあります。
補足すると、ネット通販の住所入力フォームでは都道府県をプルダウンで選ぶ形式が一般的です。ここで「名古屋」を探しても見つからず戸惑う人がいますが、選ぶのは「愛知県」です。
名古屋は中部地方・東海地方を代表する大都市
地理的に見ると、愛知県は本州のほぼ中央、中部地方の太平洋側に位置しています。岐阜県・三重県とあわせて「東海3県」と呼ばれることが多く、名古屋市はその中心となる大都市です。東京と大阪のほぼ中間にあることから、東海道新幹線の主要駅としても知られています。
具体的には、名古屋駅は東海道新幹線「のぞみ」が停車する駅で、関東・関西のどちらからもアクセスしやすい位置にあります。出張先として名古屋が選ばれやすいのは、この立地の良さが大きな理由のひとつです。
よくある勘違いが、「名古屋は岐阜県や三重県にまたがっている」という思い込みです。名古屋市はすべて愛知県内にあり、隣の県にはみ出してはいません。ただ、岐阜県や三重県から名古屋へ通勤・通学する人も多いため、生活圏としては県境を越えて広がっています。
豆知識として、テレビの天気予報やニュースでは「東海地方」という言葉がよく使われます。東海地方には静岡県を含める場合もあり、文脈によって範囲が変わる点も覚えておくと便利です。
なぜ「名古屋県」ではなく「愛知県」なのか?県名の由来
県名のルーツは万葉集に詠まれた「年魚市潟(あゆちがた)」
「愛知」という県名は、古くからある地名に由来します。愛知県の公式サイトによると、万葉集に詠まれた「年魚市潟(あゆちがた)」の「あゆち」が「あいち」に転じたと言われています。年魚市潟は、かつて現在の名古屋市南部のあたりに広がっていた干潟とされる場所です。
「年魚」はアユのことを指す言葉で、「あゆち」という響きにこの漢字が当てられました。それが時代とともに「愛智」「愛知」と表記されるようになり、尾張国の郡の名前として長く使われてきました。つまり「愛知」は明治時代に新しく作られた名前ではなく、1,000年以上前から地域で使われてきた由緒ある地名なのです。
注意したいのは、「愛知」という字面から「愛を知る」といった意味を由来として紹介する説明を見かけることがある点です。公式な説明は年魚市潟からの転化であり、漢字の意味から作られた県名ではありません。子どもの自由研究などで調べる場合は、県の公式ページを出典にすると安心です。
補足として、年魚市潟は万葉集の和歌にも登場するため、名古屋市内や周辺には万葉歌碑が残されている場所もあります。県名の由来をたどる散策は、歴史好きには楽しいテーマです。
県庁が「愛知郡」の名古屋城内に置かれたことが決め手
県名が「愛知」になった直接の理由は、県庁の場所にあります。愛知県の公式サイトでは、廃藩置県後、県庁が愛知郡の名古屋城内に置かれたことから、その郡名が県名に採用されたと説明されています。
明治時代の初め、全国で藩が廃止されて県が置かれた際、県庁が置かれた郡の名前を県名にするケースがありました。名古屋城があった場所は当時「愛知郡」に属していたため、郡名の「愛知」が県名として採用されたわけです。当時の名古屋は「市」ではなく、まだ愛知郡の中の城下町という位置づけでした。
よくある誤解は、「名古屋が先にあって、あとから愛知という名前を付けた」というものです。実際は、県名のもとになった「愛知郡」という単位の中に名古屋が含まれていたという関係です。郡という行政単位になじみがないと、この順序が逆に見えてしまいます。
豆知識として、愛知県が誕生したのは明治5年(1872年)で、名古屋市が市になったのは明治22年(1889年)10月1日です。県のほうが17年早く誕生しており、「愛知県の中に、のちに名古屋市ができた」という時系列になります。
愛知県庁は最初、名古屋城内に置かれていました。その後、名古屋市内で何度か移転し、現在の本庁舎は昭和13年(1938年)に完成した建物です。県庁の始まりが名古屋城だったことが、そのまま「愛知」という県名につながっています。
県名と県庁所在地の名前が違う県は愛知県だけではない
「県名と県庁所在地の名前が違う」のは、愛知県だけの特徴ではありません。たとえば岩手県の県庁所在地は盛岡市、宮城県は仙台市、石川県は金沢市、兵庫県は神戸市です。いずれも全国的に知られた都市名なのに、県名は別の名前になっています。
こうした県では、明治時代の県の統合や県庁の置かれた郡の名前など、それぞれの歴史的な事情によって県名が決まりました。愛知県の場合は前述のとおり「愛知郡」に県庁が置かれたことが理由です。「都市名が有名=県名も同じ」とは限らないと覚えておくと、ほかの県でも混乱しにくくなります。
注意点として、地理のテストや就職試験の一般常識問題では、「県名と県庁所在地名が異なる県」は定番の出題テーマです。愛知県と名古屋市の組み合わせは、仙台・神戸などと並んでよく問われるため、セットで覚えておくと役立ちます。
補足すると、「名古屋」という名前は都市名や駅名、球団名、空港名など、さまざまな場面で使われています。そのため県外の人には「名古屋」という地名のほうが県名より強く印象に残り、「名古屋県」と思い込みやすいのかもしれません。
名古屋の人が自己紹介で「愛知です」より「名古屋です」と言う理由
名古屋市に住む人が、県外で出身地を聞かれたときに「愛知県です」ではなく「名古屋です」と答える場面は少なくありません。これは、名古屋という都市名のほうが全国的に通じやすく、場所のイメージを一言で伝えられるからです。
逆に、名古屋市以外の愛知県民は「愛知県の〇〇市です」と答えることが多くなります。愛知県には54市町村(38市14町2村)があり、名古屋市はそのうちの1つにすぎません。豊田市・岡崎市・豊橋市など、名古屋とは別の個性を持つ市がたくさんあります。
よくある失敗は、県外の人が愛知県出身の人に対して「名古屋の人なんですね」とひとくくりにしてしまうことです。とくに後述する三河地方の出身者には「名古屋ではない」という意識を持つ人もいるため、会話では「愛知県のどちらですか?」と聞くほうが丁寧です。
豆知識として、愛知県内の市町村数は、平成24年1月に長久手町が市制へ移行して長久手市になったことで38市になりました。ジブリパークがある長久手市も、名古屋市の東に隣接する愛知県の市のひとつです。
実は「名古屋県」は実在した!尾張と三河でできた愛知県の成り立ち

明治初期のわずかな期間、「名古屋県」は本当にあった
「名古屋県なんてない」と書きましたが、実は意外と知られていないけれど、明治時代のごく短い期間だけ「名古屋県」は実在しました。明治4年(1871年)の廃藩置県で、尾張の名古屋藩は名古屋県となり、その後すぐに県名が変更されたのです。
愛知県の資料によると、明治5年(1872年)4月2日に名古屋県が愛知県と改称されました。名古屋県として存在したのは1年に満たない期間で、そこから先は現在まで「愛知県」が続いています。つまり「名古屋県」は、愛知県の前身にあたる存在です。
ここでの勘違いは、「名古屋県」がそのまま現在の愛知県と同じ範囲だったと考えてしまうことです。当時の名古屋県は尾張地方を中心とした県で、現在の愛知県の東半分にあたる三河地方は含まれていませんでした。三河側には別の県が置かれていたのです。
補足として、「名古屋県」の存在を知っていると、冒頭の「名古屋は何県?」という疑問にも一歩深い答えができます。「今は愛知県。でも明治のはじめには名古屋県もあった」と説明できれば、ちょっとした会話のネタにもなります。
三河の「額田県」との統合で今の愛知県が完成した
現在の愛知県は、旧国名でいう尾張国と三河国の2つの国から成り立っています。廃藩置県の時点では、尾張には名古屋藩と犬山藩の2藩、三河には豊橋・岡崎・刈谷・西尾など10の藩があり、それぞれが県になりました。
その後、三河の諸県は「額田県(ぬかたけん)」にまとめられ、尾張側の名古屋県(のちの愛知県)と並び立つ形になりました。そして明治5年(1872年)11月27日に額田県が廃止されて愛知県に統合され、尾張と三河をあわせた現在の愛知県が誕生しました。愛知県はこの日を県の成立としています。
明治4年(1871年)廃藩置県:尾張の2藩・三河の10藩がそれぞれ県になる。尾張側には名古屋県、三河側の諸県はのちに額田県へまとまる
明治5年(1872年)4月2日:名古屋県が「愛知県」と改称。県庁が愛知郡の名古屋城内に置かれていたことが県名の理由
明治5年(1872年)11月27日:額田県を廃止して愛知県に統合。尾張・三河の2国を治める現在の愛知県が成立
注意点として、「愛知県の誕生日」を調べると4月2日と11月27日の2つの日付が出てきて混乱しがちです。4月2日は「愛知県」という名前になった日、11月27日は現在の範囲の愛知県が成立した日、と区別すると整理しやすくなります。
名古屋は尾張側、江戸時代は尾張藩の城下町だった
名古屋市は、尾張と三河のうち尾張側に位置します。江戸時代の名古屋は、徳川御三家のひとつである尾張藩の城下町として発展しました。名古屋城を中心に町が整えられ、その城下町が明治以降の名古屋市の土台になっています。
名古屋城と尾張藩の歴史を詳しく知りたい方は、歴代の城主をまとめたこちらの記事も参考になります。

「名古屋城城主って誰だったの?」――名古屋城を訪れると、金のシャチホコや石垣の迫力に目を奪われますが、この城を居城とした人物についてはあまり知られていません。名…
明治に入ると、名古屋は明治11年(1878年)に「名古屋区」として初めて独立した行政区となり、明治22年(1889年)10月1日に市制を施行して名古屋市が誕生しました。名古屋市の公式サイトによると、市制施行時の名古屋市は人口約15万7,000人、面積約13.3平方キロメートルでスタートしています。
よくある勘違いは、「名古屋城=愛知県全体の城」というイメージです。江戸時代の三河地方には岡崎藩や豊橋(吉田)藩など別の藩があり、尾張藩とは異なる歴史を歩んでいました。名古屋城はあくまで尾張藩の居城であり、三河の人にとっての地元のお城は別にある、という感覚を持っておくと会話がスムーズです。
今も残る「尾張」と「三河」という地域の呼び分け
県の成立から150年以上がたった今でも、愛知県内では「尾張地方」「三河地方」という呼び分けが日常的に使われています。天気予報で「尾張」「西三河」「東三河」と地域を分けて発表したり、県の出先機関が地域ごとに置かれていたりと、行政の単位としても生きています。
名古屋市は尾張地方の中心で、県の西側に位置します。一方の三河地方は県の東側で、岡崎市・豊田市・豊橋市などの都市があります。同じ愛知県でも、名古屋から豊橋まではJR東海道本線などで移動する距離があり、生活圏や文化圏が異なると感じる人も少なくありません。
注意点として、名古屋に住み始めたばかりの人が「三河の人も名古屋弁を話す」と思い込むと、話がかみ合わないことがあります。言葉づかいや食文化にも地域差があるとされ、同じ愛知県でも一括りにできないのが面白いところです。
豆知識として、「尾張」「三河」という言葉は地名だけでなく、企業名や学校名、駅名などにもたくさん残っています。地図や看板で見かけたら、「ここはどちらの地域か」を意識してみると、愛知県の成り立ちが身近に感じられるはずです。
数字で見る名古屋市と愛知県、どれくらいの規模?
名古屋暮らしガイド調べ:名古屋市と愛知県の基本データ比較
名古屋市と愛知県の規模感をつかむために、公式統計の数字を1つの表にまとめました。すべて名古屋市・愛知県・総務省の公表資料から転記しています。
| 項目 | 名古屋市 | 愛知県 |
|---|---|---|
| 人口(推計) | 2,354,267人 (令和8年9月1日現在) |
7,445,156人 (2026年8月1日現在) |
| 人口(令和7年国勢調査) | 2,345,186人 | ― |
| 誕生 | 明治22年(1889年)10月1日 市制施行 | 明治5年(1872年)11月27日 成立 |
| 内部の区分 | 16区(行政区) | 54市町村(38市14町2村) |
| 面積 | 326.45平方キロメートル | ― |
| 位置づけ | 県庁所在地・指定都市(昭和31年9月1日移行) | 尾張・三河の2国で構成 |
表を見ると、愛知県が先に成立し、その中に名古屋市が誕生した順序がひと目でわかります。注意したいのは、人口の基準日が名古屋市と愛知県で1か月ずれている点です。それぞれ公表時点の最新値を載せているため、厳密な比率を計算する場合は同じ基準日の数字をそろえてください。
補足として、愛知県の推計人口は2026年8月1日現在で前年同月より8,752人減っています。一方、名古屋市は令和7年国勢調査で前回より人口が増えており、県全体と県庁所在地で動きが異なる点は興味深いところです。
市制施行から約137年で人口は約15倍に
名古屋市の歴史を数字で振り返ると、その成長ぶりがよくわかります。市制施行時の明治22年(1889年)は人口約15万7,000人でしたが、令和8年9月1日現在の推計人口は2,354,267人です。単純計算で15倍ほどに増えたことになります。
面積の広がりも大きく、スタート時の約13.3平方キロメートルから、現在は326.45平方キロメートルになりました。名古屋市は周辺の町村を何度も編入して市域を広げてきた歴史があり、現在の市域は昭和30年代の編入でほぼ形づくられたとされています。
注意点として、「名古屋市は昔から今の広さだった」と考えると、古い地図や資料を読むときに混乱します。たとえば現在の緑区や天白区のあたりは、もとは名古屋市外の町村でした。古い住所表記に「〇〇郡〇〇村」とあっても、今は名古屋市内というケースがあるのです。
豆知識として、郷土史や家系を調べる人にとって、この「編入の歴史」は重要な手がかりになります。戸籍や古い文書に出てくる地名が今のどこにあたるのかは、名古屋市の区役所や図書館の資料で確認できます。
世帯数118万超、単身・少人数世帯が多い都市型の暮らし
名古屋市の令和7年国勢調査の世帯数は1,187,231世帯です。人口2,345,186人をこの世帯数で割ると、1世帯あたり約2人という計算になり、単身世帯や夫婦のみの世帯が多い都市型の構成であることがうかがえます。
この数字は、名古屋で部屋探しをする人にとってもヒントになります。単身向け・少人数向けの賃貸物件が多い一方、ファミリー向けの広い物件は郊外の区に多い傾向があるといわれます。どの区に住むかで、物件の種類や生活の雰囲気が変わってくるのです。
よくある失敗は、名古屋駅や栄の周辺だけを見て「名古屋=都心型の街」と判断してしまうことです。名古屋市は326.45平方キロメートルと広く、緑の多い住宅街や川沿いの落ち着いたエリアも多くあります。住まい選びでは、通勤先までの路線と区の雰囲気をセットで比べるのがおすすめです。
補足として、国勢調査の結果は市の公式サイトで区別の数値も公開されています。引っ越し先の区の人口や世帯の傾向を事前に調べておくと、街のイメージがつかみやすくなります。
名古屋市の16区、すべて言えますか?
16区の一覧と、ざっくりした位置関係
名古屋市は16の行政区に分かれています。名古屋暮らしの基本として、まずは区の名前を一覧で確認しておきましょう。
| 分類 | 区名 |
|---|---|
| 方角が入った区 | 東区、西区、南区、北区、名東区 |
| 「中」が入った区 | 中区、中村区、中川区 |
| その他の区 | 千種区、昭和区、瑞穂区、熱田区、港区、守山区、緑区、天白区 |
位置関係をざっくり言うと、名古屋駅があるのは中村区、栄や名古屋城の南側の繁華街があるのは中区です。熱田神宮のある熱田区は市の南寄り、名古屋港に面しているのが港区です。区名の漢字は地名や地形に由来するものが多く、地図と一緒に眺めると覚えやすくなります。
補足として、「瑞穂区(みずほく)」「千種区(ちくさく)」「天白区(てんぱくく)」など、初めての人には読みにくい区名もあります。電話や窓口で住所を伝えるときに読み間違えないよう、ふりがなも一緒に覚えておくと安心です。
最初は10区だった!区の数が増えてきた歴史
名古屋市の区は、最初から16区だったわけではありません。名古屋市の資料によると、1943年当時は中区・千種区・東区・西区・中村区・昭和区・熱田区・中川区・港区・南区の10区でした。その後、市域の拡大や人口の増加にあわせて区が増え、現在の16区になっています。
戦時中には「栄区」という区が一時的に設置され、終戦直後に廃止されたという歴史もあります。名古屋市のサイトでは、戦局の悪化に対応するために急きょ設けられた特例的な区として紹介されています。今の地図には存在しない区があったというのは、意外と知られていない事実です。
注意点として、古い資料や地図に出てくる区名や区の境界は、現在とは異なる場合があります。とくに北区・守山区・名東区・天白区・緑区などは、のちの編入や分区で生まれた区です。古い記録を調べるときは、その年代にどの区だったのかを確認してください。
豆知識として、区の数が増えたのは市が周辺の町村を編入して広がってきたことと深く関係しています。区の成り立ちを知ると、名古屋がどのように大都市へ成長してきたのかが見えてきます。
失敗パターン①「中区・中村区・中川区」の取り違え
名古屋に来たばかりの人がよくやってしまうのが、「中」がつく3つの区の取り違えです。たとえば、取引先の住所が「中村区」なのに「中区」と思い込み、栄方面へ向かってしまった——という状況は珍しくありません。名古屋駅のある中村区と、栄のある中区は、地下鉄で移動する距離があります。
原因は、区名が1文字違いで、しかも中区・中村区・中川区がいずれも市の中心部から西側にかけて並んでいることです。メールや名刺で住所をさっと見ただけだと、「中」の後ろの文字を読み飛ばしてしまいます。
対策は、住所を地図アプリに貼り付けて、最寄り駅まで確認してから出発することです。「中区=栄・名古屋城の南側」「中村区=名古屋駅」とランドマークとセットで覚えておくと、取り違えに気づきやすくなります。同じように「東区」と「名東区」、「南区」と「港区」も位置が近いと勘違いされやすい組み合わせです。
補足として、郵便物の宛名で区名を間違えても郵便番号が正しければ届くことがありますが、配達が遅れる原因になります。役所への届出では区名の誤りが手続きのやり直しにつながるため、住所は書類から正確に写すようにしましょう。
住民票や転入届は「住む区の区役所」で手続きする
名古屋市に引っ越してきた人が最初に覚えておきたいのが、住民票や転入届などの手続きは、住む区の区役所で行うという点です。指定都市である名古屋市では、区ごとに区役所が置かれ、住民に身近な窓口業務を担当しています。
区役所の窓口は時期や時間帯によって混雑します。引っ越しシーズンの3月から4月にかけては待ち時間が長くなりやすいため、空いている時間帯を知っておくとスムーズです。混雑を避けるコツは、こちらの記事で詳しくまとめています。

「名古屋市の区役所に行ったら1時間以上待たされた」「平日は仕事で行けないから、なるべく待たずに手続きを済ませたい」——引っ越しや各種手続きで区役所に行くとき、多…
よくある勘違いは、「名古屋市の手続きだから名古屋市役所に行けばいい」と考えてしまうことです。名古屋市役所は市全体の行政を担う本庁舎で、住民票などの日常的な手続きは基本的に各区役所(または支所)の窓口で行います。行き先を間違えると、移動の手間が二度手間になります。
補足として、区役所によっては支所が設けられている区もあります。自宅から近い窓口がどこかは、名古屋市の公式サイトで住所から確認しておくと安心です。
愛知県庁と名古屋市役所はどこにある?見学できる?
県庁と市役所は隣り合わせ、どちらも名古屋城のそば
愛知県の県庁所在地が名古屋市であることを、もっとも実感できる場所が愛知県庁と名古屋市役所の本庁舎です。この2つの庁舎は、同じ町内で番地がひとつ違いの、隣り合った場所に建っています。県と市の行政の中心が並んでいるのは、県庁所在地ならではの光景です。
名古屋市役所へのアクセスは、地下鉄名城線「名古屋城」駅から徒歩1分です。愛知県庁もそのすぐ隣にあるため、同じ駅から歩いて向かえます。名古屋城の観光とあわせて立ち寄りやすい立地です。
| 住所 | 〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号 |
| 電話番号 | 052-961-2111 |
| 定休日 | 土曜・日曜・祝日・12月29日から1月3日(閉庁日) |
| 公式サイト | 公式サイト |
| 住所 | 〒460-8508 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号 |
| 電話番号 | 052-961-1111 |
| アクセス | 地下鉄名城線「名古屋城」駅から徒歩1分 |
| 公式サイト | 公式サイト |
注意点として、県庁と市役所は扱う業務がまったく異なります。運転免許やパスポートといった県の業務、住民票や国民健康保険といった市(区)の業務など、用件によって窓口が分かれているため、出かける前に「どこの手続きか」を確認しましょう。
豆知識として、地下鉄名城線の「名古屋城」駅は、以前は「市役所」駅という名前でした。古いガイドブックや地図で「市役所駅」と書かれているのは、この駅のことです。
昭和初期の庁舎は2つそろって国の重要文化財
愛知県庁と名古屋市役所の本庁舎は、どちらも歴史ある建物です。愛知県の公式サイトによると、県庁本庁舎は昭和13年(1938年)に完成し、平成26年(2014年)12月10日に名古屋市役所本庁舎とともに国の重要文化財に指定されました。
2つの庁舎は、洋風の建物の上に城郭風の屋根を載せたデザインが特徴です。名古屋城の近くにふさわしい外観で、現役の役所でありながら建築の見どころとしても注目されています。県庁と市役所がそろって重要文化財になっている例は全国でも珍しく、名古屋らしい風景のひとつです。
よくある勘違いは、「重要文化財だから博物館のように自由に見学できる」と思ってしまうことです。どちらの庁舎も現在も行政の仕事が行われている建物であり、執務室などには入れません。見学には決められたルールや予約が必要です。
補足として、外観は道路側から眺めることができるため、名古屋城を訪れたついでに建物の姿を写真に収める人も多くいます。周辺は官公庁が集まるエリアで、平日は職員や来庁者の出入りが多い点にも配慮しましょう。
愛知県庁の見学は平日のみ、予約は電話で
愛知県庁の本庁舎は、見学を受け付けています。愛知県の公式サイトによると、見学できるのは月曜日~金曜日の午前10時から午後4時までで、土曜・日曜・祝日・12月29日から1月3日は見学できません。
見学の申し込みは電話で受け付けています。県の案内では、修繕などの関係で直前でも見学を断る場合があるとされているため、日程が決まったら早めに連絡し、前日にも予定に変更がないか確認しておくと安心です。
よくある失敗は、旅行の週末に合わせて「土日に県庁を見学しよう」と計画してしまうことです。見学は平日限定なので、土日中心の旅行ではそもそも内部見学ができません。週末に訪れる場合は、外観の見学に切り替えるのが現実的です。
豆知識として、県庁の見学は建築ファンだけでなく、社会科の学習として訪れる学校のグループにも利用されています。県の仕組みや県庁の役割を知る機会としても役立ちます。
最新の情報は以下の公式サイトでご確認ください。
・愛知県庁本庁舎の見学について(愛知県)
・あいちのおいたち・県名の由来(愛知県)
・名古屋市のあゆみ(名古屋市)
・指定都市一覧(総務省)
県の手続きか、市の手続きか迷ったときの考え方
名古屋市民は、愛知県民であり名古屋市民でもあります。そのため役所の手続きでは「これは県?それとも市?」と迷う場面が出てきます。基本的な考え方は、暮らしに身近な手続きは市(区役所)、県全体にかかわる業務は県という分担です。
たとえば住民票の写し、転入・転出、国民健康保険、子育て関連の手続きなどは、住んでいる区の区役所が窓口です。一方、県全体の制度にかかわる業務は県の窓口や出先機関が担当します。どちらかわからないときは、名古屋市の公式サイトで手続き名を検索すると、担当窓口が案内されています。
注意点として、名古屋市は指定都市なので、ほかの市町村では県が担当している業務の一部を名古屋市が担っています。名古屋市から別の市町村へ引っ越した場合、同じ手続きでも窓口が変わることがあるため、引っ越し先の自治体で確認し直しましょう。
補足として、迷ったときは代表電話に問い合わせて担当部署を案内してもらう方法もあります。電話番号は上の施設情報に掲載しています。
引っ越し・出張・旅行で困らない「名古屋と愛知」の使い分け
引っ越してくる人:書類の住所は必ず「愛知県」から
名古屋に引っ越してくる人は、新しい住所を書く機会が一気に増えます。勤務先への届出、銀行や携帯電話の住所変更、各種サービスの登録など、どれも正確な住所が必要です。正式な書類では「愛知県名古屋市〇〇区」から書くことを習慣にしましょう。
失敗パターン②として多いのが、入力フォームの都道府県欄で迷う、または住所欄に「名古屋県」と書いてしまうケースです。たとえば、ネット通販で都道府県のプルダウンに「名古屋」が見当たらず手が止まったり、急いで手書きした書類に「名古屋県」と書いて差し戻されたりします。原因は、名古屋という都市名の印象が強く、県名を意識する機会が少ないことです。
- 愛知県名古屋市中村区〇〇
- 都道府県欄で「愛知県」を選ぶ
- 区名まで書類から正確に写す
- 名古屋県名古屋市〇〇
- 愛知県名古屋〇〇(「市」「区」の抜け)
- 中村区と中区の取り違え
対策としては、引っ越し直後に新住所を正式表記でスマホのメモや辞書登録に保存しておくのが手軽です。入力のたびに正しい表記を呼び出せるので、書き間違いを防げます。
出張で訪れる人:「名古屋駅」と「市役所エリア」の位置を押さえる
出張で名古屋を訪れる人にとって大切なのは、県名よりも市内の主要エリアの位置関係です。新幹線が着く名古屋駅は中村区、繁華街の栄は中区、県庁や市役所が集まる官公庁街は名古屋城のそばにあります。訪問先がどのエリアかで、移動手段や所要時間が変わります。
官公庁や関係団体との打ち合わせがある場合は、地下鉄名城線「名古屋城」駅が最寄りになるケースが多くなります。名古屋市役所は同駅から徒歩1分です。名古屋駅から直通ではなく乗り換えが必要になるため、時間に余裕を持って移動しましょう。
注意点として、取引先の住所に「愛知県」とだけ書かれていて市名を見落とすと、実は名古屋市外だったということもあります。愛知県には54市町村があり、豊田市や刈谷市など名古屋からさらに電車で移動が必要な市も多くあります。住所は市名まで必ず確認しましょう。
補足として、名古屋駅周辺の移動や乗り換えについては、当ブログでも路線別に詳しく解説しています。初めての出張なら、事前に最寄り駅と乗り換えルートだけでも確認しておくと安心です。
観光で訪れる人:名古屋と愛知県内の観光地をセットで考える
旅行で訪れる人は、「名古屋観光」と「愛知県観光」の違いを意識すると計画が立てやすくなります。名古屋城や熱田神宮、名古屋港エリアなどは名古屋市内ですが、ジブリパークのある長久手市や、明治村のある犬山市は名古屋市外の愛知県内です。
名古屋市内だけで1泊2日を楽しむなら、名古屋城と名古屋めしを中心に組むのが王道です。具体的なモデルコースは、こちらの記事で紹介しています。

名古屋を1泊2日で旅行する予定だけれど、どの順番でスポットを回れば効率がいいのか迷っていませんか。名古屋は東西南北に観光スポットが散らばっているため、ルートを考…
よくある失敗は、「名古屋に泊まれば愛知県の観光地はすべて近い」と考えてしまうことです。愛知県は尾張と三河を合わせた広い県で、名古屋市から電車で1時間前後かかる観光地もあります。目的地が名古屋市内か市外かを確認し、移動時間を見込んで計画しましょう。
豆知識として、旅行の口コミサイトや地図アプリでは、名古屋市外の観光地が「名古屋周辺」とまとめて表示されることがあります。住所で市町村名を確認するクセをつけると、移動の見積もりを間違えにくくなります。
子どもに聞かれた・クイズで出たとき:一言で答えるコツ
家族や友人との会話、クイズ番組などで「名古屋は何県?」と聞かれたときは、「愛知県。名古屋は愛知県の県庁所在地だよ」と一言で答えるのがいちばん伝わります。県名と県庁所在地をセットで答えると、相手の記憶にも残りやすくなります。
もう一歩踏み込むなら、「愛知という名前は、昔このあたりにあった『年魚市潟(あゆちがた)』という干潟が由来なんだって」と付け加えると、ちょっとした豆知識として喜ばれます。さらに「明治のはじめには名古屋県もあった」と話せば、会話が広がるはずです。
注意点として、「名古屋は県と同じくらい大きいから、昔は名古屋県だった」と単純化して説明すると、誤解を生みます。名古屋県は尾張側だけの短命な県で、名前が変わって三河と統合した結果が今の愛知県、という順序を押さえておきましょう。
補足として、子どもの学習では「県名と県庁所在地が違う県」をまとめて覚える方法が効果的です。愛知県・名古屋市のほか、宮城県・仙台市や兵庫県・神戸市など、身近な都市名から入ると覚えやすくなります。
まとめ:名古屋は愛知県の県庁所在地、歴史を知ると覚え間違えない
「名古屋は何県?」の答えは愛知県です。県名が名古屋ではなく愛知になったのは、明治のはじめに県庁が愛知郡の名古屋城内に置かれ、万葉集の時代から続く「あゆち」という地名が県名に選ばれたからでした。さらに、尾張側の名古屋県と三河側の額田県が統合して、今の愛知県が生まれています。
名古屋市は人口2,354,267人(令和8年9月1日現在の推計)を抱える愛知県最大の市で、16の行政区に分かれています。県庁と市役所が名古屋城のそばに並んで建ち、そろって国の重要文化財になっている点も、県庁所在地・名古屋ならではの特徴です。引っ越しでも出張でも旅行でも、「県は愛知、市は名古屋、その中に区」という3段階を意識しておけば、住所の書き間違いや移動の勘違いをぐっと減らせます。
名古屋に来たら、まずは地下鉄名城線「名古屋城」駅で降りて、県庁と市役所が隣り合う風景を眺めてみてください。地図の上の知識が、街の実感に変わるはずです。
※人口などの数値は記事執筆時点の公表値です。最新情報は愛知県・名古屋市の公式サイトでご確認ください。

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